イソトレチノインの通販・個人輸入は危険?法律と3つのリスクを医師が解説

2026.09.06  
イソトレチノインの通販・個人輸入のリスクを医師が解説

診察のなかで、「実はもう個人輸入で飲んでいます」と打ち明けられることがあります。たいてい少し言いにくそうにされるのですが、私は責めるつもりはありません。検索すれば普通に買えてしまうのですから、選択肢として目に入るのは当然だと思います。

そのうえで、ひとつだけお伝えしたいことがあります。個人輸入で手に入るのは「錠剤」であって、「治療」ではないということです。

この違いが何を意味するのか、法律の扱いも含めて整理しておきます。

目次

結論:買えるが、「治療」としては別物

届くのは、同じ錠剤かもしれません。ただ医師から処方を受ける場合には、その人に合った量を決める、妊娠の可能性を確認する、経過を見る、困ったときに相談できる——これらが一緒についてきます。

イソトレチノインという薬は、正直なところこの「一緒についてくる部分」で結果がかなり変わります。同じ半年をかけても、ほとんど何も得られずに終わることもあれば、きれいに治りきることもある。そういう薬です。

個人輸入・通販医師の処方
手に入るものお薬のみお薬+医師の管理
用量を決める人自分医師(体重・症状から判断)
妊娠の確認なし処方前に必ず
副作用が出たとき自分で判断医師に相談できる
品質の保証製造元・保管状態が不明なことがある国内の流通経路で管理
健康被害救済制度対象外対象外(未承認薬のため)
届くまで数週間かかることがある最短当日発送
個人輸入では錠剤だけが届くのに対し、医師の処方では用量の判断・妊娠の確認・経過観察・相談先がついてくることを示す比較図

法律上はどうなっているのか

ここは誤解が多いので、はっきりさせておきます。「個人輸入は違法だ」という言い方をよく見かけますが、これは正確ではありません。

ただ、「違法でないなら安心」という話にもなりません。法律で禁じられていないというだけで、何かあったときに守ってくれる仕組みがない——それが実際のところです。

自分で使う分は、一定の範囲で認められています

医薬品は本来、国の承認を受けたものを医療機関や薬局が扱います。ただし自分自身が使う目的に限り、決められた数量の範囲であれば個人で輸入することが認められています。個人輸入代行サイトが存在できるのは、この仕組みによるものです。

ただし、次のことは法律に触れます

他人に売る、譲る、あげる(家族・友人でも)
まとめて輸入して分ける
・SNSやフリマアプリでの出品・譲渡

「余ったから友達にあげた」も、法律上は認められていません。イソトレチノインは妊娠中の服用が絶対に避けられるべき薬なので、この点はとくに重要です。

健康被害が出ても、国の救済制度は使えません

日本には、医薬品の副作用で重い健康被害が起きたときに救済する制度があります。しかし個人輸入した医薬品は、この制度の対象外です。(なお、医療機関で処方を受ける場合も、イソトレチノインは未承認薬のため対象外です。この点は正直にお伝えしておきます)

つまり「自己責任」の範囲が、個人輸入では格段に広くなります。

実際に何が起きているのか——3つのリスク

① 中身が表示どおりとは限らない

個人輸入で出回る医薬品には、有効成分の量が表示と違うもの、ほとんど入っていないものが混ざりうると指摘されています。錠剤の色も刻印も、真似ようと思えば真似られます。手に取って中身を見分けることは、私にもできません。

困るのはここからです。効かなかったとき、多くの方は「自分には効かない体質なんだ」と結論づけてしまいます。本当は入っていた量が足りなかっただけかもしれないのに、それを確かめる手立てがない。

付け加えると、この薬が効かない体質、というものは基本的にありません。効かないときは、量か、飲み方か、中身のどれかに理由があります。

② 保管温度が守られていない可能性

イソトレチノインは光と熱に弱い成分です。海外から個人向けに送られる荷物は、夏場のコンテナや配送過程で高温にさらされることがあり、温度管理の記録は残りません。届いた時点で品質がどうなっているかを、受け取る側は確認できません。

③ 用量を自分で選ぶことの難しさ

イソトレチノインは「合計してどれだけ飲んだか」で結果が決まる薬です。少なすぎれば一時的によくなっても再発しやすく、多すぎれば副作用が強く出ます。

この量は体重を目安に決めます。同じ「20mg」でも、体重50kgの方と80kgの方では意味がまったく違います。個人輸入では、この判断を自分で行うことになります。

すでに個人輸入で飲んでいる方のご相談も歓迎です。これまでの服用を無駄にせず、続きから安全に進める方法をご提案します。責めるようなことは申しません。

・来院不要、スキマ時間でオンライン診察
・診察代・送料0円、費用はお薬代のみ
・医師が体重・症状に合わせて用量を調整
・お薬は最短当日発送、自宅へお届け

いちばん心配なのは、妊娠に関する確認がないこと

イソトレチノインは、妊娠中に服用すると赤ちゃんに重い影響が出ることが分かっている薬です。このため、処方の前後には避妊の確認が欠かせません。

個人輸入では、この確認を行う人が誰もいません。妊娠の可能性、避妊が必要な期間、服用をやめてからいつまで避けるべきか——これらを知らないまま服用が始まってしまいます。詳しくは「妊娠・避妊の注意点」をご覧ください。

女性の方はもちろん、パートナーがいる男性の方にも知っておいていただきたい点です。

よくいただくご相談——個人輸入で困ってから来られる方

実際、個人輸入で始めてから相談に来られる方は珍しくありません。繰り返しますが、責任を問うような話をするつもりはありません。よくうかがう内容を3つ挙げておきます。

「3ヶ月飲んだのに、あまり変わらない」

用量が足りていないケースが多くみられます。低い用量で長く続けても、必要な量に届かなければ結果は出にくいのがこの薬の特徴です。逆に、量が合っていなかっただけで、調整すれば改善する見込みがある方もいます。

「乾燥がつらくて、自己判断でやめてしまった」

もっとももったいないパターンです。中途半端な量で終わると再発しやすく、また最初からやり直しになります。減量や一時的な休薬という選択肢を知らないまま、やめる判断をしてしまう方が少なくありません。

「妊娠を希望しているが、いつまで避ければいいか分からない」

服用をやめたあとも一定期間の避妊が必要です。これを知らずに不安を抱えたままの方が実際にいらっしゃいます。該当する方は、いつ・どのくらいの量を飲んでいたかをお知らせください。

すでに個人輸入で飲んでいる方へ

やめてください、とは申しません。途中でやめるほうが再発のリスクが上がるためです。これまでの服用を「なかったこと」にせず、続きから安全に進める方法があります。

診察のときに教えていただきたい4つのこと

いつから飲んでいるか(おおよそで構いません)
1日あたり何mgか(箱や説明書があれば写真で)
飲まなかった期間があるか
今出ている症状(乾燥・皮むけ・気分の変化など)

これが分かれば、これまでの累積量を踏まえて、あと何ヶ月・どの量で進めるかをご提案できます。最初からやり直す必要はありません。

責められるのではないか、という心配は不要です

個人輸入を選ばれた背景には、皮膚科で断られた、近くに扱う医療機関がない、費用が心配だったといった事情があるはずです。当院はその前提でお話をうかがいます。

価格は実際どのくらい違うのか

個人輸入サイトの表示価格は確かに安く見えます。ただし送料・代行手数料・為替、そして「届かない・止められる」リスクを含めて考える必要があります。

当院の場合、1ヶ月あたり4,500〜6,500円、診察代・送料は0円です。極端な価格差があるわけではありません。詳しい内訳は「イソトレチノインの値段・費用」にまとめています。

また効かない用量で1クール分を無駄にした場合、結果的にはもう1クール分の費用がかかります。この点も含めてご検討ください。

よくある質問

Q. 個人輸入は違法ですか?

自分で使う目的で、決められた数量の範囲であれば認められています。ただし他人に売る・譲ることは法律に触れます。また健康被害が起きても国の救済制度は使えません。

Q. オオサカ堂などのサイトで買っても大丈夫ですか?

特定のサイトについての評価は差し控えます。ただしどのサイトであっても、製造元・保管状態・成分量を購入者が確認する手段はありません。これはサイトの良し悪しではなく、個人輸入という仕組みの限界です。

Q. 偽物かどうか、見分ける方法はありますか?

見た目では分かりません。錠剤の色や刻印は模倣できます。「効かない」と感じたときに、成分の問題か用量の問題かを切り分けることもできません。

Q. 個人輸入したものを持ち込んで、診てもらうことはできますか?

服用状況をうかがって今後の進め方をご相談いただくことは可能です。ただし、お手元のお薬そのものの品質を当院が保証することはできませんので、以降の分は当院から処方する形をおすすめしています。

Q. 家族が個人輸入で飲んでいます。心配です。

とくに妊娠の可能性がある女性の場合は、避妊期間の考え方を早めに確認してください。ご本人からのご相談が難しい場合も、まずは「妊娠・避妊の注意点」をお読みいただけますと幸いです。

まとめ

・個人輸入は自分で使う分なら認められているが、譲渡は法律に触れる
健康被害が起きても国の救済制度は使えない
・リスクは偽造品・保管温度・用量の自己判断の3つ
・もっとも心配なのは妊娠に関する確認が行われないこと
すでに飲んでいる方も、途中から安全に切り替えられます

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この記事の監修者

中山 樹 医師
Itsuki Nakayama

資格
日本美容外科学会員/内科学会員/産業医テストステロン治療認定医/再生医療抗加齢学会正会員/日本再生医療学会正会員/厚労省指定オンライン診療研修修了 等

ダイエット診療のプロ
監修医師 中山樹

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