マンジャロのメリット・デメリット|始める前に知っておきたい判断材料【医師解説】

2025.04.26   2026.09.06

「副作用があるなら、ちょっと怖いです」
始める前の方から、必ずと言っていいほどうかがう言葉です。

隠さずにお伝えすると、マンジャロは、多くの方に何らかの症状が出る薬です。とくに吐き気や便秘は、めずらしいことではありません。

ただ、その多くは想定された範囲のもので、対処法もはっきりしています。怖いのは、症状そのものより「これが普通なのか分からない」という状態のほうだと思います。何が起きうるのか、どう対応するのか、どこからが相談すべきラインなのかを整理しておきます。

目次

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マンジャロってどんな治療薬?

マンジャロってどんな治療薬?

マンジャロ(Mounjaro)は、2023年4月に発売された治療薬
「チルゼパチド(Tirzepatide)」という有効成分を含む薬で、主にインスリンの分泌不足や効きにくさによって血糖値が上昇する「2型糖尿病」の治療に用いられるもの。
インスリンの分泌を促し、血糖値を効果的に管理するとされています。

これまで糖尿病の治療薬は、1日に数回の投与が一般的でした。
しかし、マンジャロは他の治療薬と異なり、効果の持続が長いのが特長。
週に1回の投与で十分な効果を得ることができます。

他の治療薬とは異なり、効果の持続が長いことが特徴のひとつ。
多くの糖尿病治療薬は1日に数回の投与が必要ですが、マンジャロは週に1回の投与でOK。
患者さんの負担が軽減されるため、忙しい方でも継続しやすいと人気を集めています。

なぜダイエット治療薬として話題になったのか

糖尿病の治療薬として生まれたマンジャロですが、昨今はダイエット治療薬として大きな注目を浴びています。
ダイエットに効く仕組みについて、簡単に解説していきましょう。

医療ダイエット薬には様々な種類があり作用や期待できる効果も異なります。
マンジャロは「GIP」と「GLP-1」という2つのインクレチンホルモンの受容体にはたらく世界初の薬です。

GIPとは、食事をすると分泌される、脂肪をエネルギーに変えてくれるホルモンのこと。
血糖値を安定させる、脂肪を燃焼する、食欲を抑えるという3つのはたらきを担っています。

GLP-1についても、GIPと同じく食事をすると分泌されるホルモンです。
血糖値の上昇を防ぐ、食べ過ぎを防ぐ、胃の動きを遅くするといったはたらきをしています。

これまでの治療薬では、2つのホルモンに同時にはたらきかけることはできませんでした。
それが、マンジャロという治療薬の登場によって世界で初めて同時作用が認められ、ダイエット界で大きな話題となったのです。

マンジャロを投与する方法は?

マンジャロの投与は、「アテオス」という専用のペンタイプ注入器を使って行います。
週に1回、ご自身で行っていただくのが一般的です。

注射はお腹や太もも、上腕部など、脂肪層が厚い部分に行います。
自分で打つ場合はお腹や太ももなど、見えやすい位置がおすすめ。
毎回同じ場所ではなく少しずつずらしながら継続的に使用します。

痛みを心配される方もいますが、「アテオス」に採用されているのは極細の針。
注入に関して痛みを感じることはほとんどありません。
最初は違和感を覚える方もいますが、注入を繰り返すうちに慣れていくため、過度な心配はいらないでしょう。

マンジャロで得られる効果・メリット

マンジャロはダイエットに効果のある薬と前述しましたが、具体的にはどのようなメリットがあるのか、より詳しくご紹介いたします。

食べる量を減らせる

マンジャロのダイエット効果の中でも、わかりやすいのが「食欲の抑制作用」です。

GIPやGLP-1のはたらきに、満腹中枢にはたらきかけて満腹感を強める、お腹が空いたという感覚を抑制するといったものがあります。
このはたらきから、自然と食欲が抑制されるのです。

さらにGLP-1には、胃の中の食べものが腸に移動する速度を遅めるはたらきも。
食べたものが長く胃の中に留まることで、満腹感が持続しやすく、間食や過食を防ぐことができるのです。

どんなにダイエットしたくてもたくさん食べてしまっていた、食欲を抑えられず困っているという方には、とてもおすすめのダイエット治療であるといえるでしょう。

血糖値が安定する

食後など、血糖値が急上昇すると、インスリン(血糖値を下げるホルモン)が過剰に分泌されます。
このインスリンには、血中の糖分を脂肪に換えて体にため込むはたらきがあることから、血糖値が急上昇すると太りやすいとされています。

そこで注目したいのが、マンジャロがはたらきかけるGIPとGLP-1という2つのホルモンです。

GIPというホルモンには、インスリンを分泌する指示を出し、食後の血糖値の急激な上昇をコントロールするはたらきがあります。
さらに、「グルカゴン」というホルモンのはたらきを助けることで、血糖値が下がりすぎたときにも作用し、血糖値のバランスをちょうどいい状態に保ってくれるという効果も。

さらにGLP-1には、食後にインスリンの分泌を増やすことで血糖値が急激に上がるのを防ぎ、「グルカゴン」の働きを調整し、血糖値の変動をなだらかにするはたらきがあります。

マンジャロはこれら2つのホルモンに同時に作用する治療薬であることから、血糖値の上昇を防ぎ、安定化をサポートしてくれるのです。

脂肪がエネルギーに変わりやすくなる

体にとって、脂肪はただの悪者ではありません。
脂肪は体内で分解され、エネルギー源として利用されるため、わたしたちの体にとって大切な栄養素の1つです。

しかし、摂りすぎて余った脂肪は、体内で皮下脂肪や内臓脂肪といった体脂肪として蓄えられます。
つまり、ダイエットしたいのであれば、過度な脂肪を体脂肪として蓄えないよう、エネルギーに変換させる必要があるのです。

GIPのはたらきの1つに、脂肪細胞や肝臓に働きかけ、脂肪をエネルギーとして消費するというものがあります。
マンジャロがこのGIPに作用することで、脂肪がエネルギーに変わりやすくなることから、ダイエットがはかどりやすくなるのです。

マンジャロにはデメリットもある?

マンジャロにはデメリットもある?

とても画期的なマンジャロのダイエット治療ですが、デメリットについても把握してから治療を進めることが大切です。
ここからは、マンジャロのデメリットについて解説していきましょう。

軽度な副作用が出る可能性あり

マンジャロの副作用として、出る可能性があるものに以下があります。

<消化器系の症状>
・悪心(吐き気):薬の影響で胃の働きが抑制されるため、吐き気を感じることがあります。
・嘔吐:吐き気が強まると、嘔吐につながる場合もあります。
・下痢・便秘:消化管の動きが変化し、下痢や便秘が起こることがあります。
・腹痛・消化不良:胃腸への影響により、腹痛や食後の不快感が生じることがあります。

<注射部位の反応>
・皮膚の赤み
・腫れ
・かゆみ
・軽い痛み

多くの場合、これらの症状は時間の経過とともに軽減するもの。
とはいえ、何かしらの反応が起こる可能性があることは、頭に入れておくといいでしょう。

稀に重篤な副作用も

稀なケースではありますが、マンジャロによって重篤な副作用が発生することもあります。
特に以下の症状が現れた場合は、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。

・低血糖:糖尿病治療薬として使用する場合、血糖値が過剰に下がることがあります。
・急性膵炎:激しい腹痛や背中の痛みが続く場合は注意が必要です。
・胆嚢炎・胆石:右上腹部の痛みや黄疸が見られる場合は医師に相談しましょう。
・アナフィラキシー反応:呼吸困難や血圧低下などのアレルギー症状が出る場合があります。

副作用を軽減する方法

※この記事では、始めるかどうかを判断するための概要をまとめています。
症状ごとの具体的な対処法や、出やすい時期については 【症状別】マンジャロの副作用と対策まとめ|いつからいつまでが出やすい時期? で詳しく解説しています。

マンジャロには副作用が出てしまうこともありますが、少しでも軽減したい場合、以下に注意するといいでしょう。

服用量を調整する

マンジャロは、通常2.5mgから開始し、少量ずつ増量することで、副作用のリスクを抑えられます。
急激な増量は避け、身体の反応を見ながら慎重に使用することが重要です。

服用量の調整は医師と相談しながら進めるのが一般的。
信頼できる医師のもとでマンジャロの治療を続けていきましょう。

食生活を工夫する

消化器系の副作用を軽減するために、以下の点を意識した食事を心がけてみましょう。

・脂肪分の多い食事を避ける
・食事回数を増やす
・水分をしっかりとる

消化に負担をかけるため、胃腸の不調を引き起こす可能性がある脂肪分の多い食事は避けるといいでしょう。
さらに1回の食事量を減らし、こまめに摂取することで、胃への負担を軽減することができます。
また、水分をしっかりとることで、便秘の予防になるため、マンジャロ治療中は意識してみてください。

副作用が出た場合の対応

軽度の副作用であれば、以下の対策で緩和することが可能です。

・吐き気がある場合:食後すぐに横にならず、消化を助ける軽い運動を取り入れる。
・下痢が続く場合:消化の良い食事を心がけ、脱水を防ぐために水分をこまめに補給。
・便秘が続く場合:食物繊維を多く含む食材を摂取し、適度な運動を取り入れる。

万が一副作用が出たときの対処法がわかっていると安心です。
ただし、ご自身で緩和できない重篤な副作用が出た場合は、すぐに医師に相談するようにしましょう。

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マンジャロを安全に使用するためのポイント

※使えない方・慎重な判断が必要な方の条件マンジャロの危険性は?副作用とリスクを医師が解説 に、持病別の注意点は 胃腸の病気がある方へ甲状腺の持病がある方へ にまとめています。

マンジャロを安全に使用するためのポイント

マンジャロはダイエット効果が期待できる薬ですが、誤った使用に危険性があることを忘れてはいけません。
医師の指導のもと、適切な用法・用量を守ることが最も重要です。

また、マンジャロは医療機関での処方が必要な薬であり、個人輸入や非正規ルートでの購入は非常に危険です。
安全性を確保するためにも、信頼できるクリニックで相談しながら使用するようにしましょう。

マンジャロの購入方法

マンジャロは医師の処方箋が必要な医療用医薬品です。
市販や通販サイトでの購入はできないため、クリニックでの処方や、オンライン診療での処方を受けることで購入できます。

クリニックで処方してもらう

マンジャロの取り扱いがあるクリニックに訪問し、カウンセリングを受けることで処方してもらうことが可能です。
美容皮膚科や内科、ダイエット外来、肥満外来などで処方を受けられることがあるため、お近くのクリニックで調べてみるといいでしょう。

とはいえマンジャロはまだ新しい薬。
取扱いがないクリニックもあるため、お近くに取扱いクリニックがない場合は次にご紹介するオンライン診療がおすすめです。

オンライン診療を受ける【おすすめ】

オンライン診療とは、実際にクリニックに訪問することなく、スマホやPCを使ってカウンセリングを受ける方法です。
診察から薬の受け取りまでが自宅で完結するため、通院が難しい方や忙しい方におすすめ。
もちろん、医師の管理をしっかりと受けることができます。

マンジャロは話題の治療薬であることから、取扱いを始めるクリニックが増加中。
入手しやすくなったのと同時に、どこのオンライン診療を受けたらいいのか、どこが安全なのかが判断しづらくなったというデメリットもあることでしょう。

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マンジャロの詳しい説明や料金は、処方薬ページでもご覧いただけますので、ぜひ一度チェックしてみてください。

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メリットとデメリットを一覧で比較

始めるかどうかを決めるときは、良い面と気になる面を並べて見るのがいちばんです。ここまでの内容を表にまとめました。

内容
メリット①食欲そのものが抑えられ、我慢に頼らず食事量を減らせる
メリット②週1回の注射で済み、毎日の手間が少ない
メリット③血糖値の管理にも用いられてきた薬で、使用実績がある
メリット④オンライン診療なら通院不要で、自宅に届く
デメリット①吐き気・便秘など、消化器の副作用が出ることがある
デメリット②自由診療のため全額自己負担になる
デメリット③やめたあとに体重が戻ることがある
デメリット④持病や体質によっては使えない・慎重な判断が必要な場合がある
デメリット⑤急に減量すると顔つきの変化が出やすい

デメリットの多くは、進め方の工夫でやわらげられます。「減量のペースをゆるやかにする」「量を少しずつ上げる」「困ったときにすぐ相談できる体制を持つ」の3つが軸になります。

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向いている人・慎重に考えたい人

向いている人

・食事制限を試したが、食欲そのものを抑えられずに続かなかった

・自己流のダイエットでリバウンドを繰り返している

・通院の時間が取りにくく、オンラインで完結させたい

・数ヶ月かけて、無理のないペースで減らしていきたい

慎重に考えたい人

短期間で一気に落としたいと考えている(急な減量は顔つきの変化や体調不良につながりやすい)

・胃腸や甲状腺、すい臓に持病がある(使えないわけではありませんが、個別の判断が必要です)

・妊娠中・授乳中、または妊娠を希望している

・費用を長期間かけ続けることに不安がある

当てはまる場合でも、一律に使えないわけではありません。診察でお話を伺ったうえで、続けられる形があるかを一緒に考えます。

始める前に確認しておきたい5つのこと

1. 目標体重と、そこまでにかけられる期間を決めているか

2. 持病・服用中の薬・アレルギーを正確に伝えられるか

3. 費用を無理なく続けられる範囲か(当院は定期縛りがないため、1ヶ月分だけの利用も可能です)

4. 副作用が出たときに相談できる窓口があるか

5. やめたあとの生活習慣まで見据えているか

この5つが整っていれば、途中でつまずくことはかなり減ります。迷っている段階でのご相談も歓迎です。

よくある質問

Q1:マンジャロの主な副作用は何ですか?

マンジャロの主な副作用は、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛などの消化器系の症状です。
また、注射した部位が赤くなったり、かゆくなったりすることもあります。
これらの症状は、治療を続けるうちに自然に改善されることが多いです。

Q2:マンジャロの副作用はいつまで続きますか?

副作用は、マンジャロの投与を開始した時や、投与量を増やした時に現れやすいです。
体が薬に慣れてくるにつれて、数週間から数ヶ月で症状は軽減・解消されるのが一般的です。

Q3:マンジャロの副作用を軽くする方法はありますか?

副作用を軽減するために、医師の指示に従って少量から薬を始めることが重要です。ま
た、脂肪分の多い食事を避ける、食事の回数を分けて一度に食べる量を減らす、水分を十分に摂るなどの食生活の工夫も効果的です。きとされています。

Q4:マンジャロで重篤な副作用が起きる可能性はありますか?

頻度は非常に低いですが、重篤な副作用として「低血糖」「急性膵炎」「胆嚢炎」などが報告されています。冷や汗、動悸、激しい腹痛、嘔吐などの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。

Q5:副作用が出た場合、どうすればよいですか?

吐き気がある場合は、食後すぐに横にならず、軽い運動を試してみてください。
下痢や便秘が続く場合は、消化の良い食事や食物繊維を多く含む食事を心がけ、水分補給を十分に行いましょう。
症状が改善しない、または悪化する場合は、医師や薬剤師に相談してください。

この記事の監修者

中山 樹 医師
Itsuki Nakayama

資格
日本美容外科学会員/内科学会員/産業医テストステロン治療認定医/再生医療抗加齢学会正会員/日本再生医療学会正会員/厚労省指定オンライン診療研修修了 等

ダイエット診療のプロ
監修医師 中山樹

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